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情報誌CEL

太田 隆士

2016年11月01日

ブルーノ・タウトと日本文化

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2016年11月01日

太田 隆士

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情報誌CEL (Vol.114)

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『日本美の再発見』(1939年)などの著書で知られるドイツ人建築家ブルーノ・タウトは、20世紀前半に日本を訪れ、伊勢神宮や桂離宮に日本美の極致を見出し、当時の人々を驚かせた。簡素さや清澄さという日本の芸術的・文化的特質は暮らしに根ざしたものであり、今日なお古びることなき価値観として建築や美術、工芸などの分野に浸透している。いま見直すべき「日本的なるもの」とは何か。タウトの視点にその本質を学ぶ。

桂離宮と郊外型集合住宅

ブルーノ・タウト(Bruno Taut, 1880 - 1938)というドイツ人建築家は1933年5月に来日し、桂離宮を訪れ「泣きたくなるほど美しい」と感動的に書き記したことで知られている。彼は装飾の少ない桂離宮を日本的な美を代表するものと高く評価し、いっぽう装飾に満ちた日光東照宮を「日本文化の大敗北」と酷評した。我々日本人はドイツからやって来た建築家により、日本建築のみならず日本の美が、桂離宮に代表される簡素さ、清澄さにあると指摘され、納得し、自国の文化に自覚と誇りをもったと伝承されている。
ところでドイツの首都ベルリーン郊外の集合住宅群が2008年に世界文化遺産に登録された。20世紀初頭、大都市の出現とともに住宅が不足し、低所得者層が陥っていた劣悪な住環境問題を解決するために、合理的な間取りで割安な住宅が郊外に建設された。その大部分にかかわり主導した建築家の一人がタウトであった。なかでもブリッツ大規模住宅地区にある馬蹄型住宅がシンボリックな形状をしていることからも注目を集めている。
労働者のための安価な住宅建築に尽力した建築家と、桂離宮に魅了される建築家、この両面をもつタウトとはどのような建築家であったのだろうか。
また彼は約3年半の滞日中に、『ニッポン』、『日本文化私観』そして『日本の家屋と生活』と3冊の日本文化論を残し、それは今でも読み継がれている。しかし世界的に知られた建築家であったにもかかわらず、なぜか日本では建築の機会には恵まれず、旧日向家熱海別邸地下室が唯一の建築作品として残されているにすぎない。
この3冊の著作と唯一の建築作品を手懸かりに、彼はいったい桂離宮の何にそれほど感動したのか、そもそもなぜ日本に関心をもったのか、さらに彼の著作等を我々日本人はどのように受容してきたのか考えてみたい。

ジャポネズリーからジャポニスムへ

タウトの1冊目の日本論である『ニッポン(Nippon)』には「1933年6月〜7月執筆」と記されている。
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