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季刊誌CEL

小西池 透

2016年03月01日

CELからのメッセージ 昔の学びを未来につなげる

作成年月日

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研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2016年03月01日

小西池 透

住まい・生活
都市・コミュニティ

ライフスタイル
コミュニティ・デザイン
まちづくり

情報誌CEL (Vol.112)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

「昔はよかったなぁ」―。人生の経験を積み重ねた諸先輩方が時に口にするあのセリフ。これを、時代の流れについていけない自らに対する嘆きの表れだと思っている人たちも多いのでは? ところがそれは大きな間違い。“昔”に学ぶべきことがどれほど多いことか、そのことを今号の編集を通じてあらためて認識することができました。
何よりも昔の暮らしには、その時々の厳しい時代を生き抜いてきた「生活と結びついた逞しい知恵」があります。暮らしのベースとなる街並みや路地には、豊かに生きていこうという切なる願いや、コミュニティを大切にする工夫がありました。伝統芸能には、いわゆるしきたりや作法がつきものですが、「どうしてこんな面倒くさいことを」と思われる所作のなかにも、合理的で無駄のない動きが息づいています。そして市民思想として広まった心学は、「先も立ち、我も立つ」という共生の倫理を説き、それは地域社会や企業が掲げる理念として現代でも十分に通用します。
「変革に向けての飽くなきチャレンジ」にも学ぶべき多くの示唆があります。300年以上も続く老舗企業の歴史は、実はたゆまぬ変革の積み重ねでした。続けることは自らを変えていくこと、そして新しいものを常に創造していくことであるという考え方は、今も企業経営の根幹であります。
「次代を担う人材を育てること」、これこそ私たちが最も学ぶべきことかもしれません。能楽に見られる、個々人の目標達成状況に合わせた育成手法、促成栽培ではなく長期的な視点で育てていこうという息の長い取り組みは、教育界や産業界が是非とも実践すべきではないでしょうか。
“昔”という言葉には、「いにしえ」に「むかう」という意味があると言われています。この言葉の意味を、「向うのは過去だけではなく未来にも」と捉えれば、“昔”は未来へ向うスタート地点だと言えます。前号では未来のスマート社会を展望しましたが、まさにスマートの原点が“昔”にはあるのです。そうした“昔”の知恵や教えを確実に伝えていくことが、私たち現代人の大きな責務だということを、今一度肝に銘じたいと思います。