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季刊誌CEL

CEL編集室

2016年03月01日

心学のいまを訪ねる

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2016年03月01日

CEL編集室

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情報誌CEL (Vol.112)

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石田梅岩の教えは、現代にどのように受け継がれているのだろうか。現存する関西の講舎−京都の心学修正舎と大阪の心学明誠舎−の活動を報告し、時代を超えて人々を魅了し続ける心学の「学び」の場を紹介する。


京町家に息づく学びの伝統


「子曰く、君子道を学べば則ち人を愛し、小人道を学べば則ち使い易しと」
ほのかな灯りのもと、『論語』の素読を唱和する声が重なり、昔ながらの町家に響く。ここは京都の呉服問屋街「室町」と呼ばれる地域の一角に居を構える吉田邸。いまここで、石田梅岩の教えを伝える、心学修正舎の月1回の定例講義「会輔」が開かれている。参加者は高校生から年配者まで多様だ。
石田梅岩−1685(貞享2)年、現在の亀岡の農家に生まれる。京都の呉服問屋で番頭を務めた彼は、1729(享保14)年、45歳のときに初めて京都の町家で講席を開く。老若男女の分け隔てなく、また無料で講席を開くことは当時としては画期的なことであった。梅岩の教えは、彼の死後、弟子の手島堵庵らによって受け継がれ、諸国へも広がっていく。その中心となったのが、手島堵庵が1773(安永2)年に五条東洞院に開講した「修正舎」であり、1782(天明2)年に河原町三条に開いた「明倫舎」であった。
いま講義を行っているのは、心学修正舎の理事であり、『論語』を教える衣笠三省塾の塾主でもある長野享司さん。
「『学べば人を愛する』とは深い言葉です。いま我々が『愛する』というと男女の恋愛を思い出しますが、本来は人を大切に思うという意味です。『論語』の言葉は我々の社会のなかに身近にあるのですが、知らないで見過ごしてしまっていることが多い。ぜひ『論語』を読み込んでいただければと思います」
この「会輔」という定例講義の名称は、『論語』の「君子は文を以て友を会し、友を以て仁を輔く」という文句にちなんで堵庵が名付けた。会輔の題材のひとつとして『論語』を用いるのも、梅岩以来の伝統だ。
続いては、心学修正舎理事の後藤一成さんによる、「石田梅岩の世界観と日本人の心」についての講義だ。そこで解説されたのは、「誠」「正直」「倹約」という、町民にとって、最も身近な言葉を大切な理念として掲げた梅岩の教えの普遍性であった。