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季刊誌CEL

永松 伸吾

2014年07月01日

連載 減災講座 【Vol.2】コミュニティ・レジリエンス

作成年月日

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研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2014年07月01日

永松 伸吾

都市・コミュニティ

都市システム・構造
コミュニティ・デザイン
まちづくり

情報誌CEL (Vol.107)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

日々私たちが遭遇する「リスク」には、自然災害はもとより事故、犯罪まで、様々なものが含まれる。このリスクから人々の命を守り、安全性の高い生活を維持するために、近年、コミュニティのもつ力と「レジリエンス」という概念に注目が集まっている。この二つがどのように関わりつつ将来の安全な暮らしを支えうるのかを考えてみよう。

小2の息子との対話から

「知らない人から声を掛けられても、ついていかないようにね」
どういう文脈かは忘れましたが、小2の息子にそんな話をしました。犯罪や事件に巻き込まれないように、身を守るための心得として知っておいてほしいと思ったからです。
「知ってる人だったらいいの?」
「うん、お友達のお父さんとか、同じマンションの人とか、父さんもよく知っている人なら大丈夫だよ」
「でも、父さんが知ってて、俺が知らない人もいるよね。どうするの? 俺わからないよ?」
こう言われて、一瞬言葉に詰まりました。信用するなというのは簡単なのですが、私は次のように答えました。
「だから、周りの人には必ずあいさつをしなさい。父さんの知り合いや友達にもそうしなさい。そうやっていろんな人と普段からあいさつして、それでも知らない人だったら、その人はあまり信用しない方がいいと思う」
息子はなるほどという顔で「うん、わかった」と答えてくれました。その場の思いつきでしたが、今思っても、あながち悪い答えではないなと思っています。「知らない人についていかない」ことも大事ですが、顔見知りのネットワークを増やすことの方が、彼を危険から守るためには本質的に重要だと思ったからです。

レジリエンスとは何か

前置きが長くなりました。最近このように「社会の関係性」から防災や安全の問題を考えるアプローチが、欧米を中心に盛んになっています。それは「レジリエンス」と言われる概念に表されています。
レジリエンスは、生物学や心理学でもしばしば用いられる用語であり、分野によってそれぞれ解釈が異なるようです。それゆえに学問的に洗練された議論は多くないのですが、逆に言えば非常に懐の広い用語でもあり、そのことが多くの研究者や実務家の関心を引きつけているようです。 本稿の関心は、災害や危機に対するコミュニティのレジリエンスについてです。この場合のレジリエンスとは、一般的に「災害や危機に直面した社会が元に戻る(bouncing back)能力」と定義されています。災害を経験してその後衰退する地域や、回復に著しく時間のかかる地域もあれば、他方で速やかに元に戻る地域もあり、これらは何が違うのかというのが、この概念の元々の関心にあります。