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情報誌CEL

石 弘之

2012年02月14日

時の話題 世界人口70億人を突破−地球はどれだけの人口を養えるのか

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備考

2012年02月14日

石 弘之

エネルギー・環境

地球環境
環境対応

情報誌CEL (Vol.99)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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 国連は「2011年10月31日に70億人目の赤ちゃんが生まれた」と発表した。人口統計には大きな誤差があり、この日は象徴的な意味で設けられたものだ。だが、世界人口がほぼ70億人に達したことは間違いない。人口増加の速度は今後にぶるとはいえ、2050年には93億人に、2100年に101億人になるまで増加がつづく、と国連は予想する。地球は果たしてこれだけの人口を養えるのか。
 
-地球はどれだけの人口を養えるのか-

 2050年までには、現在の人口に23億人が上乗せされる。つまり、現時点の中国、インドを併せた人口に近い。食糧生産は耕地面積、生産性、灌漑用水、投入する肥料・農薬によってきまってくる。では、地球の扶養力の限界は何人ぐらいだろうか。
 経済学者のジョエル・コーエンが著した『新人口論』(邦訳・農文協)によると、これまで地球の扶養力を計算した例は67例ある。1番小さいのは10億人、大きいのは1兆人。
 そのなかから、地球上の食糧生産の可能量から割り出したものを抜き出すと、扶養限界は約4億人から100億人の間に収まる。その中間値をとると70億人で、ほぼ限界ということになる。だが、これはあくまで平均値の話である。
 米国ワシントンに本部を置く環境資源のシンクタンク「ワールドウォッチ研究所」の試算は、穀物の年間消費量から割り出している。もしも全人類が「米国的な食生活」(年間1人約800kgの穀物を消費)を享受するとすれば27.5億人で、すでに2.5倍にもなっている。「イタリア的な食生活」(約400kg)とすれば55億人。「インド的な食生活」(約200kg)とすれば110億人で、22世紀はじめの世界人口は養えることになる。
 国連食糧農業機関(FAO)の試算では、1990年の農業生産水準を前提にして、「米国的食生活」23億人、「欧州的食生活」41億人、「日本的食生活」61億人、「バングラデシュ的食生活」109億人、「生存ぎりぎりの最低生活水準」では150億人、としている。だが、全人類が「インド的」「バングラデシュ的」生活水準に甘んじられるとは思えない。
 逆に耕地面積からみてみよう。現在、世界人口は年間8000万人ずつ増加している。現在の1人あたりの農地面積は0.23haだから、毎年新たに必要な農地は1840万haになる。これは日本の面積の半分に相当する。2050年の世界人口の93億人を養うには、21億haの農地が必要である。農業生産性が変わらないとすると、現在の1.4倍になる。
 つまり、これから4割の農地を増やさないと人口は養えなくなる。その一方で、農地は宅地や工場用地など非農地用途への転用、過剰耕作や塩類の蓄積による土壌劣化などによって、毎年2000〜3000万haが失われていると推定される。

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