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情報誌CEL

Dr.Ingrid Haslinger、山下 満智子、宇野 佳子

2011年03月25日

連載 食卓の喜び 第8回 マイセンのデザートテーブル

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2011年03月25日

Dr.Ingrid Haslinger、山下 満智子、宇野 佳子

住まい・生活

その他
食生活
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.96)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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マイセンのデザートテーブル

 

-砂糖菓子職人ツッカーベッカー-

 

 デザートは、食事の中でも最も費用のかかるものであった。砂糖は、19世紀半ばにテンサイ糖の大量生産が始まるまで、非常に高価であるがゆえに、胡椒、ナツメグ、バニラ、サフラン、オールスパイスなどのエキゾチックな香辛料や柑橘類と同様に、貴族社会において需要が多かった。ルネサンス期までのヨーロッパ貴族社会における料理の特徴は、香辛料を大量に使って、招待者に富を誇示することであった。砂糖もまた大量に使用され、今日では想像できないような料理にも使われていた。たとえば多くの料理本を著したフィリッピーネ・ヴェルサーのレシピでは、鳥のパイでさえも砂糖で甘くされていたの
であった。
 ウィーンでは、16世紀後半、砂糖菓子職人ツッカーベッカーがスペイン領オランダからやってきたことによって、砂糖菓子の技術が発達した。それまで薬剤師たちの専売であった砂糖とコンフェクト(果物やスパイスの砂糖漬け)は、ツッカーベッカーによって作られるようになった。当時の文献によれば、「ツッカーベッカーは、いろいろなことに砂糖を使う/赤や白のキャンディに/果物を煮たり漬けたりするために/あるいはドライフルーツ類や/オレンジピールやレモンピールに(中略)ツッカーベッカーは、四角や三角の形にするためにブリキを使う。そして特別な型や丸い平鍋や四角の平たい型などを持っている。ツッカーベッカーは、いろいろなものも焼く。スペインや/スウェーデンや/イギリスや/ウルム(※1)のパン/卵黄のパン/アニスのパン/ろいろな砂糖パン/プレッツェン/甘いブレッツェル/ビスケット/ひし形のパン/ナツメグ入りパン(中略)/ハーゼン・オルライン(※2)/ヒッペライン(※3)/アーモンドケーキ/マジパン(中略)それからマジパン細工の果物(中略)/タルト/マーマレード/果物のジャムの瓶詰め/果物の果汁/ティザーヌ/その他たくさんのものを作る」。
 甘いものの中で、砂糖菓子職人ツッカーベッカーが作るもの以外はすべて、「メールシュパイゼ(小麦粉を使った焼菓子)」に分類された。

(※1)ドイツ南部の都市
(※2)ウサギの耳の形をした焼菓子
(※3)棒状の空洞のクッキー
 

 

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