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情報誌CEL

新谷 大輔

2011年03月25日

グローバル化とアジアのCSR

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2011年03月25日

新谷 大輔

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情報誌CEL (Vol.96)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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-グローバル化の功罪-

 

 今や世界はグローバル化し、各国経済は相互依存関係にある。それは各国の経済成長の源泉となる一方で、一国の政情不安や経済危機が、世界全体に連鎖反応を引き起こすことも少なくない。グローバル化の進展はいわば、「諸刃の剣」である。
 また、深刻な経済格差を引き起こすという側面も否めない。例えば20世紀においては、グローバル化の進展が、需要国としての先進国と供給国としての途上国の経済関係を明確化し、いわゆる南北問題を引き起こしてきた。先進国が途上国を収奪するという構造が事実上、長く続いた時代に他ならない。その影響は、今もなお貧困など様々な問題の構造的原因として、アフリカなど多くの途上国を苦しめる。
 しかしながら、グローバル化はマイナスの面ばかりではない。中国などアジア各国の成長は、グローバル化によって進む先進国企業からの投資を自国の産業育成につなげることで、農業中心の産業構造を転換、多くの雇用を生み出したことによるところが大きい。例えば、中国では1980年代後半と90年代後半を比較すれば、雇用の創出によって、貧困ライン以下の人口が大きく減少していることが明らかとなっている(※1)。ILO(国際労働機関)も、雇用の創出こそが貧困問題の解決の最善の処方箋であると述べている。今や自動車産業の集積地となっているタイも、日系企業を中心とした投資がその発展の礎となっている。
 一方、投資元である日本など先進国においては、多くの企業がその生産拠点を海外にシフトしていったことで、産業空洞化が深刻化したのも事実である。工場の閉鎖は多くの失業者を生み出し、社会的不安を増長させた。グローバル化は、先進国が求める社会の実現のために途上国が利用される形で進みながらも、同時に先進国側でも産業構造の変化が強く求められ、それが様々な社会的課題を引き起こしたのである。グローバル化の功罪は様々な形で表れている。


-グローバル化とCSR-

 

 このように、グローバル化の進展は様々な変化を各国に及ぼしているが、CSRの重要性が高まったその背景にも、グローバル化が強く影響している。欧州を起源とする現在のCSRは、石油メジャーであるシェルが北海沖での原油掘削の際に使用した井桁(ブレント・スパー)を海洋投棄しようとしたことに対し、国際NGOであるグリーンピースが抗議活動を展開したことがその発端として考えられている。同社がグリーンピースとの対話の
結果として発表したレポートに反映されたのが、「トリプルボトムライン」の考え方であり、CSRの考え方の基礎を成すものである。欧州においては、問題だと考える企業に対し、NGOがそれを指摘し、両者の間での対話の中から、具体的なCSRに関する取り組みを見出していくものと考えられている。

(※1)Aneel Karnani, "Microfinance Misses its Mark", Stanford Social Innovation Review Summer 2007

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