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情報誌CEL

宗田 好史

2004年06月30日

まちなか資源としての住宅・建築ストックの再評価

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備考

2004年06月30日

宗田 好史

都市・コミュニティ

まちづくり

情報誌CEL (Vol.69)

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建築ストック活用と近代化

 ヨーロッパで歴史的都市環境の保存が始まったのは第二次世界大戦後、一九六〇年代のことである。この取り組みを町並み保存ととらえ、文化財保存と都市計画制度の面、あるいは文化政策の観点から語られる機会は多いが、住宅・建築ストックの活用として語られることは意外と少ない。建築ストックの活用は、都市保存よりも実は古くから転用として盛んに行われていた。

 そもそも市民革命が起こった時、王政が共和制に変わり、近代国家の組織が次々と生まれたために、王宮や庭園に代表される壮大な建築物は盛んに転用された。王侯貴族が王宮に収集した美術品が美術館となり、官庁や病院、学校が既存ストックの転用から始まった。民主主義国家の器を短期間に用意できず、必然的にストックが活用された。産業革命でも同様に大規模建物の転用があったが、一般には技術革新で、大規模で合理的な近代建築が可能になったため転用建築物の多くは暫定的な利用に終わった。

 王侯貴族が独占し、権力の象徴だった建築ストックを開放、転用したことで、市民革命や産業革命は眼に見える形で都市を変貌させてきた。その後、都心部で活発になった中流階級の経済活動を支える銀行など金融機関、消費を支えるデパートなど一部の大規模商業施設の多くも既存ストックを活用した。だから銀行もデパートも、宮殿や神殿、貴族の邸宅のような外観を持ち、その形をそのまま採用した日本でも建築スタイルとして定着した。また、明治維新後の日本でも、江戸の大名屋敷が、東京の官庁や大学、オフィス街に盛んに転用された。東京大学の赤門などの当時の遺構は、そのまま大切に保存されている。主は大名から官僚、学者に替わったものの、大名屋敷の荘厳さと閉鎖性は今も受け継がれているようである。

 

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