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情報誌CEL

前田 弘

2007年03月30日

イングランド・湖水地方のブランディング

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2007年03月30日

前田 弘

都市・コミュニティ

地域活性化

情報誌CEL (Vol.80)

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「ピーターラビット」はブランドか?

 英国イングランド北西部・湖水地方の村ニア・ソーリー。そこには、英国人より日本人にもっとおなじみの童話絵本のキャラクター「ピーターラビット」の舞台となったヒル・トップがある。「ここも」というより「こここそ」、日本人の湖水地方観光の目玉になっている。もちろん日本人だけでなく、ピーターラビット関連施設は、日本人よりもはるかに多い欧米人観光客にとっても人気がある。ところが、このような「ピーターラビット」人気を見直そうとする動きが、地元の観光業者の中から起こっている。一昨年に同席した地元観光業者の集まりでの議題は、「日本人観光客に提供できる観光ブランドはピーターラビットしかないのか?」というものだった。京都府と大阪府を足したほどの広大な湖水地方で、日本人も含めて外国人観光客の集中するのがピーターラビット・ブランドだけというのは、観光にとっても、資源保護の観点からも是正すべき重大問題であるからだ。 英国人にとって湖水地方のようなカントリー・サイドはウォーキングには最高の場所で、老若男女、個人団体を問わず、フットパスをひたすら歩くのが観光の主流である。「ピーターラビット」も、作者のそのような楽しみ方の中で生まれてきたのに違いない。しかし、ロンドンを拠点としたパック・ツアーが主体の観光では、ピンポイントのいわゆる「名所見物」しかできないのが実情のようだ。観光ブランドとしての「ピーターラビット」とは、ほんとうに地域の自然や暮らしの魅力を象徴するブランドなのだろうか。

コミュニティからのブランド創造

 ブランド見直しの中で、これまでとは違った湖水地方の観光として観光局が中心に打ち出しているテーマが「ラグジュアリー・イン・ア・ファーム」、すなわち、「農場(農村地域)での贅沢な観光」である。湖水地方は「田舎」のシンプルで質素な観光ではなく、贅沢で質の高い宿と食を提供できる観光地へと新たなブランド確立に向けたキャンペーンを始めたのである。このブランド戦略は、一点豪華主義の高級志向の観光地形成を進めるものではない。ブランドを支えるのは、食文化を中心とした伝統的な生活文化とヘリテージ(地域遺産)としての価値を持つ農村景観そのものである。つまり、新たなブランド創造の核に、地域コミュニティをベースとした活動を位置づけている。それは、田舎や農村のブランド価値を一八〇度転換する作業ともいえる。

 

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