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情報誌CEL

永田 宏和

2008年03月21日

灯りが描き出すもう一つの風景

作成年月日

執筆者名

研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2008年03月21日

永田 宏和

都市・コミュニティ

都市システム・構造

情報誌CEL (Vol.84)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

 「明日香の地を詠んだ万葉集の歌を書き込んだら?」

 村の寄り合いに参加していた一人の主婦が提案した。

 街並み整備のコンサルタントとして明日香村・岡大字に入ったのが、そもそもの私の任務である。ところが街並み整備の話し合いは紛糾、矛先を変えるつもりで提案した灯り系のイベントが、その後、想像以上の発展をみせることになる。

 冒頭の主婦のアイデアを受けて住民たちは「明日香の地を詠んだ万葉歌の一首を書き込んだ行灯」づくりを自分たちの手で進めていく。森林組合が調達した部材を組み、書道クラブのおばあちゃんが万葉集の歌の一首を書き、その書き込んだ和紙を、ふすま屋さんの指導のもと張る。初年度に300個の行灯が完成。秋の観月祭に合わせて行灯を通りに並べる「万葉のあかり」がスタートした。このイベントは好評を博し、春の「桜祭り」、大晦日の岡寺参道での点灯などさまざまな行事に展開されていく。

 最初の寄り合いから2、3年経った頃、当初紛糾していた街並み整備の話は予期せぬ方向でまとまりをみせ始める。「この行灯が映える美しい街並みをつくろう」。それ以降、地域の街並み整備はこのテーマのもと話し合われている。

 本格的な街並み整備は、さまざまな課題があって進んでいないが、街並みを考える際の軸となるイベントを獲得した住民たちは、今後もぶれることなく自分たちのまちにとってふさわしい街並みをつくりあげていくだろう。ハード優先で進められる傾向にある街並み整備だが、ソフト(イベント)から積み上げていくこうした手法は、今後の街並み整備を考える上で一つの礎になると思われる。

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