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情報誌CEL

赤星 たみこ

2009年01月08日

本の万華鏡 “水から見たエコライフ”を紐解くヒント

作成年月日

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媒体(Vol.)

備考

2009年01月08日

赤星 たみこ

エネルギー・環境

地球環境

情報誌CEL (Vol.87)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

『森は生きている―自然と人間』

 日本は国土の七割が森林です。また、その大半が急峻な山で、川は急流です。もし、日本の山が岩山で一本の木も生えていなかったとしたら…。降った雨はすぐに流れて海へ注ぎ、地下水はなく、飲み水も作物を育てる水も手に入りません。

 日本の水が豊かなのは、山に木がたくさん生い茂っているからです。私は宮崎県の山奥の小さな町で生まれ、山道に「水源涵養林」という立て札が立っているのを見て育ちました。「すいげんかんようりん」という言葉の持つ大きな意味を考える前に、その存在を知り、「ふうん、この森が水を作っているんだ」というくらいの軽い感想しか持ちませんでした。

 大人になり、富山和子さんの書かれた『森は生きている』を読み、水源を涵養することがどれだけ人類に大切な意義深いことなのかを知りました。それは衝撃でした。

 今、森林が注目を集めているのは、植物が光合成により二酸化炭素を固定化し、削減するから、という理由が主なようです。しかし、森林の働きはそれだけではありません。土と水を作ることも忘れてはなりません。土と水があるからこそ、私たちは豊かな農作物を得ることができます。

 森を育てることは、土と水と空気を作ることです。森を育てることはたやすいことではなく、植えて切って使って、また植えて切って使って、という循環がなければなりません。が、ときどき「木を切るのはいっさいまかりならん!」という主張を聞くことがあります。でも、森の木は三十年、四十年たつと、もう成長しきって、二酸化炭素の吸収率は低くなります。新しい若い木のほうがどんどん二酸化炭素を吸収します。大人になりきった大きな木は伐採して建材やガードレールに使うほうがいいではありませんか。ガードレールに使ったり、河川の補修に使ったりすると、金属やコンクリートは百年もつのに、木だと十年しかもたない、という批判もあります。でも、それが木のよさです。巨額の税金を一度に使って百年もつ物を作るより、山を守る人たちに十年ごとに仕事を作るほうが、よほど雇用対策として優れています。

 森を作ることは、それを手入れする人もいるということです。山奥にそういう仕事が生まれれば、森はもっと手が入り、豊かになります。

 豊かな森が豊かな水を生む。このことをもっと多くの人に知ってもらいたい。そのためにも『森は生きている』を多くの人に読んでもらいたいと思います。

 

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