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2018年08月31日 by 池永 寛明

【起動篇】 “見立て”の日本文化を生んだ上方

デンマークの陶磁器ブランド、ロイヤルコペンハーゲンが、日本の古伊万里や有田焼から影響を受けたことはよく知られる。首都・コペンハーゲンで、開催されている「Learning from Japan(日本から学ぶ)」展を訪れると、これまで知られていなかった“日本”の姿が見えてきた。


それは、1867年のパリ万博を契機とした欧州での北斎や広重などの「ジャポニズム」ブームにとどまらない。幕末から現代までの時間軸で、美術・工芸のみならずファッション、建築、住文化など広範囲にわたる日本の文化が伝わり、「デンマークデザイン」が形成されていくプロセスが理解できる。日本人が抱く北欧デザインへの親近感は、そこに日本の“面影”を見るからかもしれない


欧州で日本文化が評価され、日本を代表する上方の社寺や庭園、町家つらいなどが外国観光客に評価されるのは、上方の持つ「ミニマリズム」デザインにあると考える。


このミニマリズムを「最主義」と訳したのでは伝わらない。華美を排したシンプルさは、自然に生まれたのではなく、徹底的に計算し、つくり込まれて、真の美を生み出す。そのミニマリズムの方法論が「見立て」である。あることを伝えるために他になぞらえるという手法で、古来、和歌や俳諧の技法でもあった。


その「見立て心」に立脚し新たな価値を生み出したのが、堺の茶人・千利休である。代替でも喩えでもなく、物事の本質を見抜きフォーカスする「見立て方法論」を構築する。それは茶道にとどまらず、建築、生活文化、料理などに及んでイノベーションを起こす。それが江戸に伝わり、世界に広がったのである。


エネルギー・文化研究所 所長 池永寛明


産経新聞夕刊  319掲載分

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