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2018年02月22日 by 池永 寛明

【場会篇】 地域文化をイタリアで学ぶ 5

   


「ミラノ篇・最終」


イタリアの都市は、ドゥオーモ(教会堂)を中心に放射線状に広がる城壁が外からの出入りを看視し、都市の人々を守るという都市構造を千年以上も残している。古代ローマにつくられた都市が中世・近代に入り、建物が増え、車が増え、都市を飽和させた。そもそも古代ローマ時代の都市設計は、車というものを想定していなかったため、車が飽和した。現代旧都心部に入る車を制限しなければ、生活できなく、トラムやバスなどの公共交通に加え、レンタサイクルやカーシェアリングを増やしている。


ミラノを歩いていると、日本料理が目につく。ラーメン、おにぎり、回転寿司など中華料理店からの転業を含めて、“日本料理”的な店を多く見かけた。2年半前のミラノ万博の日本館がもたらした日本料理ブームである。現地駐在員からは、きちんとした日本料理店もあるとお聴きしたが、日本料理の基本を踏まない、表面的な“日本料理”的な料理店が広がり、世界に間違った「日本料理」イメージが形成されていくことが気になる。


ミラノは原色が多いイタリアのなかで「白と黒」を基調としたスタイリッシュな都市。欧州各国・各都市と交流する商業・金融都市であり、欧州各国文化とが融和する都市であり、過去と現在とが混じりあう都市である。観光客だけでなく、様々な国の人々が働き、住み暮らす国際商業都市、イタリアの他の都市とくらべて町行く人々は足早、「イタリアと異なる情報」が掛けあわされ、新たなものがいろいろなところで生まれつづけている。


ローマからシエナ、フィレンツェ、パルマ、ヴェネツィア、ミラノと北上した。古代ローマ時代からつづく都市構造を今につなげている。地形、自然、周りの都市との距離・環境条件によって、地域独自の産業を生み育み、地域の人々がその地域をベースに学び、働き、暮らし、地域独自の文化を耕かし、二千年以上もつなぎつづけ、今も息づいていることを実感した。


(エネルギー・文化研究所 所長 池永寛明)


〔CELフェイスブック 21日掲載分