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2013年10月04日 by 鈴木 隆

古本との出会い

 読書の秋です。話題の新刊を読むのもいいですが、品切れ・絶版となった良書を発掘するのも楽しいものです。

 学生時代には、東京・神田神保町の古書店街へ毎週のように通っていました。界隈に100店以上が集まり、世界一の規模です。今は亡き評論家の植草甚一さんには及びませんが、店ごとの得意分野、書棚の配列まで頭に入っていました。毎年10月に開かれる秋の古本まつりは大盛況。歩道にまで本が陳列され、本好きの人たちであふれ返ります。

 古書店巡りの際に、たまに「せどり」をすることもありました。せどりとは、安く買った古本を他店で高く売って差額を得ることをいいます。安いだけで飛びつくと失敗します。相場は高くても在庫が過剰で買ってもらえないこともあるからです。

 社会人になってからは、大阪・梅田のかっぱ横丁などを時々のぞくくらいになりました。その分、懇意になった店から送られてくる古書目録を見ては、これはという本が見つかると注文していました。

 ここ10年は、アマゾンや「日本の古本屋」などのインターネットサイトでもっぱら購入するようになりました。居ながらにして膨大な在庫の中から探せ、たいていの本はすぐに手に入ります。その反面、思わぬ本との出会い、発見がなくなったのは残念です。掘り出し物を見つけた時の喜びこそ、古書収集の醍醐味だからです。

 最近は、洋書の古本もネットで時々買いますが、日米の文化の違いを実感します。日本では、本の状態が「よい」とされるのは、書き込みがなく、そこそこきれいな本。ところが、米国では、かなり書き込みがあっても、一応読めれば「よい」とされていることが多いです。品質、細部へのこだわりの違いが、古本の評価にも表れています。

 この秋、古書店や古本市に出かけて、古本を手に取ってみてはいかがでしょうか。新刊本とは違った世界にきっと出会えますよ。


※平成25年9月27日、毎日新聞(大阪本社)夕刊に掲載の「思わぬ1冊との出会い」を改題したものです。

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